シニア犬がごはんを食べない原因は?

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現役動物看護師が教える今すぐ試したい7つの対策

はじめに

昨日まで食べていたのに、今日はひと口も食べない。
愛犬がごはんを食べなくなると、
「どこか悪いのかな?」

「もう年だから仕方ないのかな?」
「何か食べさせないと…」
と、不安になりますよね。

そして、心配になればなるほど、
「お願い、食べて!」
「これならどう?」
「こっちは食べる?」

と、いろいろなごはんを試したり、
何度も器を口元に持っていったり
してしまうこともあると思います。

でも、ここで一つ知っておいてほしいことがあります。
シニア犬がごはんを食べない原因は、
単なる「食欲不振」だけではありません。

病気が隠れていることもあります。
歯や口が痛いのかもしれません。
立って食べることがつらいのかもしれません。

ごはんが硬くて食べにくいのかもしれません。
そして、「食べてほしい」という飼い主さんの気持ちが、
愛犬に伝わっていることもあります。

実際に動物病院では、
「昨日まであんなに食べていたのに、急に食べなくなった」
という相談をたくさん受けます。

でも、原因を一つずつ探していくと、
「実は病気ではなく、食べる姿勢がつらかった」
「口の中が痛かった」
「ごはんの硬さが合わなくなっていた」


ということもあります。
だからこそ、この記事では

「なぜ食べないのか?」
を7つの原因に分けて、
現役動物看護師の私が解説します。

読み終わる頃には、
「まず何を確認すればいいのか」
「今日から何を試せばいいのか」
が分かるようになります。

まず知ってほしいこと

「食べない」のではなく「食べられない」のかもしれません

特にシニア犬は、

  • 痛み
  • 筋力の低下
  • 嗅覚の変化
  • 舌の力の低下
  • 飲み込みの変化
  • 病気

など、さまざまな理由で
ごはんを食べにくくなることがあります。

例えば、
食べたい気持ちはあるのに、口が痛くて食べられない。
食べたいけれど、立っているのがつらい。

ごはんの匂いが分かりにくくなっている。
ということもあります。


だから、「なんで食べないの!」と叱る前に、
「食べない」のか、
それとも「食べられない」のか。
愛犬の立場になって考えてみてください。

この視点を持つだけで、
今まで見えていなかった原因に気づけることがあります。

原因① 病気が隠れている

シニア犬が急にごはんを食べなくなったとき、
まず考えたいのが病気の可能性です。

腎臓病などの内臓の病気や、消化器の病気、
感染症、痛みを伴う病気など、
さまざまな病気が食欲低下の原因になることがあります。

特に、

  • 元気がない
  • 水をたくさん飲む
  • 嘔吐する
  • 下痢をする
  • 体重が減ってきた
  • いつもと様子が違う

などの症状がある場合は、早めに動物病院へ相談してください。
もちろん、ここに挙げた症状はあくまで目安です。

「なんとなくいつもと違う」
という飼い主さんの感覚も、とても大切です。

病気が原因の場合、
食べさせる工夫だけでは解決できないことがあります。

特にシニア犬は、
体調の変化に早めに気づいてあげることが大切です。

原因② 歯や口が痛い

「食べたそうにするのに食べられない」
「口に入れたものを落とす」

そんなときは、
口の中に痛みや違和感がないか確認してみましょう。

  • 口臭が強くなった
  • 歯ぐきから出血する
  • よだれが増えた
  • よだれに血が混じる
  • 口元を気にする
  • 口を触られるのを嫌がる
  • 食べ物を口から落とす

このような変化がある場合、
口の中にトラブルが隠れている可能性があります。

「お腹は空いている。でも、食べると痛い。」
そんな状態になっていることもあります。

「食欲がない」と思っていたら、
実は食べたいのに食べられなかった
というケースもあるんです。

原因③ 食べる姿勢がつらい

ごはんを食べ始めるけれど、すぐにやめてしまう。
途中で休んでしまう。
食べているときに足元がふらつく。

そんな場合は、食べる姿勢を見直してみてください。
シニア犬は筋力が低下したり、関節に痛みが出たりすることで、
「立って、首を下げて、ごはんを食べる」
という動作が負担になっていることがあります。

見直したいポイントは、

お皿の高さ

お皿の高さが合っていないと、
首や体に負担がかかることがあります。

目安としては、
肘から10cm下以内にお皿の底がくる高さ
一つの目安にしてみてください。

ただし、体型や状態によって食べやすい高さは異なります。
愛犬が無理なく食べられているかを見ながら調整しましょう。

足元

床が滑ると、食事中に足が安定しません。
食べる場所に滑りにくいマットを敷くなど、
足元を安定させてあげましょう。

体の支え

自力で立てるけれど、
長く立っているとふらつく場合は、
クッションなどで体を支える方法もあります。

「食べることに集中できる姿勢か?」
という視点で見直してみてください。

原因④ ごはんが硬くて食べにくい

今まで食べていたドライフードを、
最近食べなくなった。

そんなときは、
ごはんの硬さや食感が原因かもしれません。

シニア犬では、噛む力や舌の力などが変化し、
今まで食べられていたごはんが食べにくくなることがあります。

そんなときは、

  • ふやかす
  • 少し温める
  • ウェットフードを混ぜる
  • 水分を加える

など、食べやすさを調整してみましょう。

ただし、すべての子が柔らかいごはんを好むわけではありません。
「シニア犬だからこれが正解」ではなく、
愛犬が食べやすい方法を探すことが大切です。

また、

  • むせる
  • 咳き込む
  • 飲み込みにくそう
  • 食べ物が口から出てくる

などの様子がある場合は、
無理に食べさせず動物病院へ相談してください。

原因⑤ 飼い主さんの心配や焦りが伝わっている

愛犬が食べないと、心配になりますよね。
「お願い、食べて!」
「これならどう?」
「こっちは?」

何度も器を出したり、別のごはんを用意したり。
これは、愛犬に食べてほしいという愛情があるからこその行動です。
決して悪いことではありません。

でも、
その焦りが愛犬に伝わってしまうことがあります。

犬は、飼い主さんの声や表情、雰囲気をよく見ています。
だからこそ、食べないときほど、

  • 少し離れて見守る
  • 静かな環境を作る
  • 何度も「食べて」と声をかけない

ことも大切です。
「食べさせなきゃ」ではなく、
「食べられる環境を作ってあげよう」
と考えてみてください。

原因⑥ ごはんのタイミングが合っていない

「ごはんは食べないのに、おやつは食べる」
という子もいます。
この場合は、

  • おやつが多い
  • 間食が多い
  • 食事の間隔が短い

などの可能性もあります。
おやつでお腹がいっぱいになっていないか、
一度見直してみましょう。

また、シニア犬の中には、
ごはんを出しても、
すぐに食欲のスイッチが入らない子もいます。

まず匂いを嗅ぐ。
少し離れる。
また戻ってくる。
そんな子もいます。

だから、
「出したのに食べない!」
とすぐに下げるのではなく、
愛犬の様子を見ながら少し待ってみることも大切です。

そして、
「食べたかどうか」だけでなく、
「食べようとしたか」も観察してみてください。

原因⑦ シニア犬の体に変化が起きている

シニア犬になると、少しずつ体に変化が起こります。

  • 嗅覚の変化
  • 筋力の低下
  • 舌の力の変化
  • 飲み込む力の変化

などです。

今まで食べられていたごはんが、
少しずつ食べにくくなることもあります。

だから、

「もう年だから仕方ない」
と諦めるのではなく、
愛犬の変化に合わせて、

  • 食器の高さを変える
  • 食感を変える
  • 食べる姿勢を支える
  • 香りを立たせる

など、食べ方を調整していきましょう。

今日からできる7つの対策

ここまで読んで、
「結局、私は何をすればいいの?」
と思った方へ。

まずは、できることから一つずつで大丈夫です。

① 体調を確認する

元気、水分、嘔吐・下痢、排便・排尿などを確認。

② 口の中を確認する

口臭、出血、よだれ、食べ物を落とす様子などをチェック。

③ 食べる姿勢を見直す

お皿の高さ、足元、体のふらつきを確認。

④ ごはんの食感を調整する

ふやかす、温める、水分を加えるなどを試す。

⑤ 食べる環境を整える

静かに、落ち着いて食べられる場所を作る。

⑥ おやつと食事のタイミングを見直す

間食が多すぎないか確認。

⑦ 「なぜ食べられないのか?」を考える

食べないという結果だけでなく、愛犬の様子を観察する。

こんなときは早めに動物病院へ

以下はあくまで目安ですが、

  • 元気がない
  • 嘔吐や下痢がある
  • 水も飲めない
  • 呼吸がおかしい
  • ぐったりしている
  • 強い痛みがありそう
  • 体重が減っている
  • 食べない状態が続いている

場合は、早めに動物病院へ相談してください。

特にシニア犬は、食べない原因が病気の場合、
早めの対応が大切です。

おわりに

シニア犬は、自分で「ここが痛いよ」「食べにくいよ」と
言葉で伝えることができません。

だからこそ、「ごはんを食べない」という小さな変化の中に、
愛犬からのサインが隠れていることがあります。

「食べない=わがまま」ではなく、
「この子は、なぜ食べられないのかな?」
そう考えてあげることから始めてみてください。

愛犬の変化に気づけるのは、
毎日そばにいる飼い主さんだからこそです。

できることから一つずつ。
愛犬が少しでも穏やかに、
そしておいしくごはんを食べられる毎日を、
一緒につくっていきましょう。

次回は、
「シニア犬のごはん、何を食べさせたらいい?」
をテーマにお届けします。

また次の記事でお会いしましょう。

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