シニア犬の筋トレは必要?現役動物看護師が教えるおうちでできる簡単エクササイズ

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「最近、立ち上がるのが遅くなった」
「後ろ足が細くなってきた気がする…」
「寝ている時間が増えて、ほとんど動かない」

愛犬にこんな変化はありませんか?
シニア犬になると
少しずつ変わっていく体。

「もう歳だから仕方ないのかな」
「無理に動かさない方がいい?」
そんなふうに悩む飼い主さんも多いはず。

でもシニア犬のリハビリに関わる
私が伝えたいのは

シニア犬だからこそ、
今ある筋肉を大切にしてほしい
ということ

若い頃のように
走り回る必要はありません。

大切なのは、
たくさん動くことよりも、
今できる動きを維持すること。

今回は、
おうちでできる
簡単なエクササイズを5つ紹介!

愛犬のペースに合わせて、
無理なく取り入れてみてください。

シニア犬にも筋トレは必要?

答えは、
その子に合った運動なら
筋力維持に役立つ!

でも年齢だけで
筋トレの必要性は決まりません。

体力、持病、痛みの有無によって、
適した運動はさまざま。

まずは、なぜ筋肉を使うことが
大切なのかを知っておきましょう。

筋肉は使わないと弱くなる

年齢とともに減りやすくなる筋肉。
寝ている時間が増えて活動量が減ると、
筋肉を使う機会も少なくなります。

すると、こんな悪循環に。

筋肉が減る
↓
動くのが大変になる
↓
さらに動かなくなる
↓
ますます筋肉が弱くなる

だからこそ大切なのが、
無理のない範囲で
体を動かすこと。

筋トレと聞くと、
特別な運動を
想像するかもしれません。

でもシニア犬の場合は
日常のちょっとした動きが大切。
立つ、座る、歩く。

そんな何気ない動作が、
筋肉を使う機会になります。

筋肉が落ちると、何が困る?

筋肉は走るためだけのものではありません。

例えば、
・自分で立ち上がる
・トイレの姿勢を保つ
・ごはんを食べに行く
・寝返りをする
・段差を越える

こうした動作にも筋肉が必要。

後ろ足の筋肉が弱くなると、
立ち上がるときに
前足ばかり使うようになることも。

踏ん張れなくなれば、
滑ったり転んだりする
危険も増えてしまいます。

つまり、
筋肉を維持することは、
日常の「できる」を守ること。

自分で立てる
自分でトイレに行ける
大好きな場所まで歩ける

そんな毎日を、
できるだけ長く続けるための
筋トレなのです。

筋トレを始める前に知ってほしいこと

ここは、
動物看護師として
特に伝えたいポイントです。

「後ろ足が弱くなった=筋肉が落ちた」
とは限りません。

関節の痛み、
腰や背中の問題、
神経の病気。

こうした原因で、
足に力が入りにくくなっている
こともあります。

痛みがある状態で
無理に運動すると、
かえって悪化する可能性も。

特に注意したいのは、
こんな変化。

☑ 急に立てなくなった
☑ 足を引きずる
☑ 触ると痛がる
☑ ふらつきが急に強くなった
☑ 足の甲をついて歩く

当てはまる場合は、
筋トレより先に動物病院へ。

突然立てなくなったり、
強い痛みがある場合は、
早急な受診が必要です。

持病がある子や、
関節・神経に問題がある子も、
運動内容を確認してから始めましょう。

おうちでできる簡単エクササイズ5選

ここからは、
自宅で取り入れられる運動を紹介!

大切なのは、
ゆっくり・無理なく・楽しみながら

基本的には、
痛みがなく、
安定して立ったり
歩いたりできる子向けの運動です。

滑らない床で行い、
嫌がったり、
ふらついたりしたら中止。
全部やる必要はありません。

愛犬に合うものを、
一つずつ試してみてください。

① ゆっくり立つ・座る

普段の「立つ・座る」を利用した運動。
人間でいうスクワットに似た動きです。

やり方

① 滑らない床で立つ
② おやつを使い、ゆっくり座るように誘導
③ 再び立ち上がるように誘導
④ 痛みやふらつきがないか確認

ポイントは、勢いをつけないこと。

膝や股関節に痛みがある子には、
負担になる場合も。

座る姿勢が崩れる子や、
立ち上がるのがつらそうな子には
無理に行わないでください。

回数よりも、
自然な姿勢でできることが大切。

② おやつを使った重心移動

四本足で立ったまま、
体の重心を少し動かす運動。

姿勢を保つための筋肉を使う練習になります。

やり方

① 滑らない床で立つ
② おやつを鼻先に近づける
③ おやつを左右へ少しずつ動かす
④ 顔の向きに合わせて、重心をわずかに移動
⑤ 反対側も同じように

大きく動かす必要はありません。

おやつを遠くへ動かしすぎると、
バランスを崩すことも。

※首や背中に痛みがある子には適さない場合がある

③ ゆっくり後ろに下がる

普段は前に歩くことが多い犬たち。

でも後ろに下がる動きも、
足の使い方を意識する練習になります。

やり方

① 滑らない床で立つ
② おやつなどを使って、
後ろへ一歩下がるように誘導
③ できたら、たくさん褒める
④ 慣れてきたら、少しずつ練習

最初は一歩でも十分!

無理に体を押して
後退させるのはNG。

ふらつきが強い子や、
足先をうまく動かせない子には
転倒の危険があります。

④ 低い障害物をまたぐ

足を持ち上げる動きや、
足の位置を意識する練習。

リハビリでも取り入れられる方法の一つです。

やり方

① 滑らない床に、低くて安定した障害物を置く
② 愛犬のペースでゆっくりまたぐ
③ 足を引っかけたり、ふらついたりしないか確認
④ 無理のない範囲で終了

高い障害物をまたげば
効果が上がるわけではありません。

足が上がりにくい子や、
関節・神経に問題がある子には
負担になることも。

※初めて行う場合は、
動物病院で高さや方法を確認するとベスト

⑤ 遊びながら体を動かす

特別な道具がなくてもできる運動。
それは、愛犬が好きな遊びを取り入れること。

おもちゃが好きなら、
ゆっくり追いかける。

おやつが好きなら、
室内で少し歩いて探す。

飼い主さんについて歩くのが好きなら、
一緒にゆっくり歩く。

そんな日常の遊びも、
筋肉を使うきっかけに。

ただし急な方向転換やジャンプ、
激しく走る遊びは
負担になることがあります。

頑張らせるより、
楽しみながら体を使う。

これも立派な運動です。

筋トレは毎日やった方がいい?

「何回やればいい?」
「毎日やらないと意味がない?」
気になるところですよね。

でもすべてのシニア犬に
当てはまる回数や時間は
ありません。

年齢、体力、筋肉量、持病によって
適切な運動量は変わります。

大切なのは、
疲れ切るまでやらないこと。

運動中だけでなく、
運動後や翌日の様子もチェック!

☑ 足を引きずっていない?
☑ 翌朝、立ち上がりにくそうじゃない?
☑ いつもより動きたがらない?
☑ 痛そうな様子はない?

もしこんな変化があれば、
運動が負担になっている可能性が。

その場合は中止し、
獣医師に相談してください。

毎日頑張ることより、
安全に続けられること。
そこを大切にしたいですね。

筋トレだけでは筋肉は守れない

筋肉の維持には、
運動だけでなく
食事や体調管理も大切。

特にシニア犬では、
体重が変わらなくても
筋肉が減っていることがあります。

「体重が同じだから大丈夫」
とは限りません。

太ももが細くなっていない?
背骨が以前より目立っていない?
お尻の筋肉が落ちていない?
こんな変化にも注目。

筋肉を維持するためには、
必要な栄養をしっかりとることも重要です。

ただし、腎臓病など持病がある子は
食事内容の調整が必要な場合も。

「筋肉をつけたいから、
タンパク質をたくさん増やす」
という自己判断は避けましょう。

運動と栄養、
両方から支えることが大切です。

動物病院のリハビリも選択肢の一つ

「うちの子には、どんな運動が合っている?」
「後ろ足が弱いけど、筋トレしても大丈夫?」

そんなときは、
動物病院のリハビリを頼るのも
一つの方法。

私が勤務する動物病院でも、
状態に合わせて、

・ウォータートレッドミル
・バランスボールを使った運動
・物理療法
・自宅でできる運動の指導
などを行っています。

ただし、
すべての子に
同じリハビリが
適しているわけではありません。

病気や痛み、筋力、関節の状態
に合わせた方法選びが大切。

そして、
リハビリは病院だけで
完結するものではありません。

毎日の生活の中で、
どんな動きを続けられるか。

そこも大切にしたいポイントです。

今日からできること

ここまで読んで、
「さっそく全部やってみよう!」
と思った飼い主さんも
いるかもしれません。

でも、まずは一つで大丈夫。

今日、愛犬が立ち上がるところを
観察してみてください。

後ろ足をしっかり使えている?
前足ばかりに頼っていない?
立ち上がるとき、何度も勢いをつけていない?
左右で足の使い方が違わない?

できれば動画を撮っておくのもおすすめ。

そして、
痛みや歩き方の異常がなく、
運動しても問題ないことが
確認できている子なら、

今回紹介したエクササイズから
一つ選んでみましょう。

最初は短時間で十分。
「できた!」という経験を、
少しずつ増やしていくこと。

それが第一歩です。

まとめ|筋トレは「今できること」を守るため

シニア犬になると、
少しずつ変わっていく体。

若い頃のように走れなくなった
階段を上れなくなった
立ち上がるのに時間がかかるようになった

そんな姿を見ると、
寂しくなることもあると思います。

でも私はリハビリに関わる中で、
「できなくなったこと」だけを見ないでほしい
そう感じています。

今日、自分の足で立てた。

今日、自分でごはんを食べに行けた。

今日、大好きなおもちゃで遊べた。

それも全部、
愛犬が今持っている力。

筋トレは、
若い頃の体に戻すためのもの
だけではありません。

今できることを、
できるだけ長く続けるためのもの

無理に頑張らせなくていい
ほかの犬と比べなくていい
昨日よりたくさんできなくても大丈夫

愛犬の体に合った方法で、
少しずつ筋肉を使う機会を
つくってあげましょう。

そして、飼い主さん自身も楽しみながら。

「今日も自分の足で立てたね!」

そんな小さな喜びを、
これからも一緒に
大切にしていきたいですね。

次回は、
「シニア犬にオススメのリハビリ方法
 動物看護師が教えるケア」
をテーマにお届けします。

また次の記事でお会いしましょう。

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